2004 
はじめる自給プロジェクト 棚田への挑戦

開墾から田植え〜収穫までを終えて


text:鴨川フューチャーズクラブ代表 斉藤博嗣
■3月27-28日
オリエンテーション

日本人の食の中心である米。
食べ物と農業と環境とは、つながりあって私たちの生命を支えている。
そのつながりの鍵になっているのが「米」。
自分が食べているものを知らない事は、栄養云々以前に生物として生きる基盤を失いつつあるのではないかと思われる。
自分が食べているものが、どのようにしてつくられるかを、身をもって知ることでしか、生きるための食料の意味や、人間と自然との関係を認識できないのではないか。

■4月24日
苗作り

種籾を見たこともなかった私たち。種まきから始める米作りはとても新鮮。「はじめる自給として、苗を買って田植えする「機械化」ではなく「手動化」で苗から作る体験は貴重だ。

■6月12日
田植え

稲を弱くしたのは人間で、人間の都合の良い米を作るために環境を犠牲にしたのかもしれない。実際の稲は見た目よりもずっと強い。苗床から離して一本々手植えしても、細くて頼りなげな姿からは想像できないくらいの生命力に満ちて根を張ってくれる。


■7月3日
草取り
日本の米作りは、春から秋にかけて季節の移り変わりとともにあり、季節を感じながら作業を進める。今年は本当に雨が少なかった。都会にいると「傘をささなければいけないからいやだな」程度の認識の雨も、米作りを通して天気予報で雨を祈るようになった。季節へのに想いをはせる、農家の大変さを知る「装置」として農体験の役割。継続して農への関わりを持ち続けることは、都市生活者にとっての日常生活に大きな変化をもたらす。


■9月23日&10月7日
稲刈り
たくさん作ることを目的としなければ、頑張れば私たちにも作れることを知った。
その後の脱穀、籾摺りは機械がなければ厳しいが、お米作りは思ったよりも身近なものだった。
稲刈り後の田んぼの上に立つと、達成感と何ともいえない寂しさでいっぱいになる。一年通しての米作りで、さまざまな過程を通して共同作業の大切さを感じ、一体感を覚える。
五感を使う労働体験は、人間が「頭」ではなく「体」で考える「動物」であること、人間界も生命界の一員であることを教えてくれる。


■11月21日
収穫祭
自分で作ったお米は愛着たっぷりで一粒もむだに出来ない。
米作りを体験する前と今とではお米に対する想いが全く違う。
口に入るまでの作る側の労働力と自然のありがたさを感じないではいられない。植物や動物を育てる、慈しむ、生命あるものに心を寄せる、これらは消費の部分しか見えていない私たち現代人に大きく欠けている素質ではないだろうか。消費者が何%かでも自給する生産者になることは、労働者ではなく、生活者としての「リアリティ」を取り戻してくれるはずだ。


「棚田への挑戦」
トージバピースボート、鴨川フューチャーズクラブ、の共催企画で行いました。
2005年、鴨川フューチャーズクラブ主催でのお米づくりは行いませんが2004年にお世話になった笹谷窯の杉山さんが「お米と陶器づくり」のプログラムを企画しています。興味のある方は杉山さんにお問い合せ下さい。

笹谷窯  http://www7.ocn.ne.jp/%7Esasaya/top.html


★3月〜11月までの詳しいレポートはトージバサイトをご覧下さい 
トージバサイトへ
 




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