★8月13〜15日 鴨川・里山キャンプ/2003夏

  
加藤登紀子 
トーク&ミニアコースティックライブ IN 風の家!

「これからの時代の一番大きなテーマ」
それは男と女の葛藤だろう 
男と女の意識は何故かひと時代ずつずれる


♪♪曲目♪♪

1. 陽ざしの中で
2. 時代遅れの酒場
3. あなたに


自由の嵐が吹き荒れた夜
 里山キャンプも終わりに近づいた夜、風のハウスにて加藤登紀子さんの熱いトークライブが開催されました。「ようこそ、風の家へ。」ギターを持ち、颯爽と現れたお登紀さん。オープニングは参加者全員の自己紹介。ビールを片手にそれぞれの想いを登紀子さんにぶつけます。一言で解答らしき名言を一
人一人に投げかけるお登紀さん。みんなの心の中に一瞬にして一筋の風が吹きあれました。

 風は吹き続けます。鴨川の土地で自然王国を創ると決心され、「俺について来い。」と言われた、故藤本さん。「お前の収入は一切使うな。」「ひとつの船に船頭は二人要らない。」「それが出来ないなら別れよう。」若い世代からすれば、まるで関白宣言。ロマン・ローランが書いた小説、「魅せられし魂」のストーリーを端的に語られ、今まで色んな歴史があったのだけれど、男と女の意識はひと時代ずつずれているという事をしっかり認識して、そして男と女が葛藤していく、このテーマを抜きには、これからの時代は語れない。

 1920年代から30年代にかけて、フランスのブルジョアジーに育った大金持ちの娘が、身分も地位も財産も何一つ不自由の無い貴族の男と許婚になって、誰もがうらやましがるような理想的なカップルなのに、ある日彼女は貴族の男に言うわけです。「全て忘れてください。」「どうしてなんだ、僕は君には何でもしてあげられる、120%君の望みをはたすことが出来るんだよ。」「じゃあ、あなたは自由な私を愛せますか。私の自由を愛せますか。」男だけが自由で、女が自由を束縛された時代。男だけが自由で、女は古いモラルの中にいる。ひと時代ずつずれていた。そして女が今度自由に目覚めて、本当の自由、人間の中にある一番自然な、溢れるがままの自然な発露、それをまっとうさせてあげるのが自由ってものじゃないかという発見を彼女はしたわけですけど、それはその男が感じていた自由のひとつ先の自由。

 だからまた再び自由がひとつ時代がずれてしまう。一段ずつ。男がそれに気がついて、女が勝ち得ようとした自由に対して、もうひとつ先へ行く時代が来るのかも知れませんが、この夜はお登紀さんの唄声と共に、自由な風が吹きあれていました。

 一曲めはオリジナル曲、「陽ざしの中で」。二曲目はやはりオリジナル曲で「時代遅れの酒場」。
1983年東宝映画「居酒屋兆治」に高倉健さんの妻役で映画初主演した時の主題歌。藤本さんは、実は健さんをよく研究されていた方で、登紀子さんは健さんのファンだったそうです。この頃はみんなの気持ちも盛り上がって、「そこに音楽があるから、一瞬にしてひとつになれた。」後々そんな感想を聞くことができました。登紀子さんの想いもひとしお・・・。感動的な一瞬でした。

  ラストソングは「あなたに」。最新アルバム「沖縄情歌」に紹介されています。各地のライブコンサート先で完売となっている、素晴らしいアルバムなので、まだ聴いていらっしゃらない方は絶対おすすめです。何度も何度も何故か聴きたくなって、音質も最高に良いので(マニアックな方はおわかりになると思います。)世界が広がります。アンクラプトで、ギター1本のライブでしたが、素晴らしい夜でした。その後の飲み会が、これまた素晴らしかった。鴨川フューチャーズクラブは断じて酔っ払いの集まりではありませんが、お酒を一滴も飲めない人が、飲まないのに酔っています。おそらくそれは、鴨川という土地や自然、そして人と人との出会いに感動するからかと思ったりします。
フューチャーズクラブ  山本喜代美








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