帰農塾 参加者 レポート 
KINOUJUKU SANKASYA REPORT
7月15日〜17日 里山帰農塾 7月コース 夏、王国たちの野菜 
 
2006.7.17  更新日 2006.8.21

帰農塾レポート
A.U 

 帰農塾へのアプローチを考えたのは四年前である。四年前はそれこそ自分が経験してきたレベルのエコロジー運動への転換程度であった。
 二年程前からは食から農に入り、現在は自分の住む町、地域に人々が回帰できるきっかけとして住と農を考えるまでに至った。
 鴨川自然王国に対する考え方も、初めは王国に集うことも図式化していた。現在は回帰を千葉県の中で点として築いていく方が自分のスケールに合っていると判断している。
 農と人を軸にする限り、在住地で始動して水脈として鴨川自然王国と継がりを持っていくことで実践できると判断できたのが06年夏の帰農塾である。
 鴨川の王国は王国で保持し続けることにエネルギーが必要だと思うが、王国に迷惑をかけないように自力で点を創りたいと考える次第である。
 それにしても四年前の田中さんはコワイ人だと一瞬思ったが、みごとに鴨川の農に透けこんでいた。今回農業実習に講師として来られた川名さんとオーバーラップするのはなぜだろうか。


珍しい喜ばしい幸せな体験
N.K 

三日間、有益なお話を沢山聞かせて頂き、又、いろいろの農業体験を少しずつさせて頂きまして有難うございました。
 この素晴らしい場所に来て多くのことを学ばせて頂きました。
 先ず、最初、あの美しい棚田を車の中から眺め、なんてきれいな田んぼが、こまめに幾つも幾つも作られていることかと、感動しました。
 到着して、眺めだけでも美しく、気持ちの良い環境で、木のおうちの中で実のあるお話を聞かせて頂きました。近年若い人達が、田舎の自然に還ってそこで有意義な生活をすることに関心を持ち始めたということは、私はここへ来て初めて知りました。(今まで知りませんでした。)周囲の多くの人達が、よりハイカラな物、生活が良いと思っている中で、私一人が「自然が大好き、畑を作っていないと足が地に着いていないようで落ち着かない、一寸でも何か作物を作りたい」等と言っているみたいでした。私は本能的に太古の昔のことを思い。元々の源のことを思う傾向が強く、どうして皆はそれを忘れ去って平気で居るのだろうと思っていました。自然に引かれ、人間本来の田舎での生活の大切さ、意味の深さを感じとって、農業等での活動で活躍しようとしている若者たちが、こんなに日本のあちこちで多数いらっしゃると聞いて、とても安心し、又、その人たちに対して尊敬の念をいだきました。
 二日目、田の草取り、畑での収穫、面白かったです。お豆腐作りも面白かったです。
 加藤さんがいろいろの人がいて面白いと言っていらっしゃったように、本当にいろいろの方面の方々の面白いお話を聞かせて頂きました。皆様が、自然に非常に関心を持っていらっしゃる方々なので、話が合って、どの話も同感して受け入れることができて一時の素晴らしい集いだったと思います。私はあちこち怪我をしていて、ここに来るのは冒険だったのですが、あえて決行してよかった。何とかして「ここに来て良かった!」と思いました。
 いろいろご親切ありがとうございました。


鴨川自然王国の帰農塾に参加して
A.W 

 海や里山に囲まれて、自然の中で焼き物(陶芸)をやっていきたいと思いはじめて、二年、退職準備をしながら、土地探し、家さがしをはじめました。いろいろな人との出会いもあり鴨川の海の近く(車で10分程度)の土地を借りることが決まりかけた頃の参加でした。農業に従事するつもりはないのですが、自然と共に生きる生活にはいつも関心を寄せていたので、今回の参加は大変勉強になりました。有機農業であるが為の困難。草取り、消毒等の大変さ、高齢化による人手不足による田畑の荒れ等を現実に話を伺ったり、作業を手伝うことによって実感できたことは大きな収穫でした。また、こういう時代の中で帰農塾を開催し、農業に関心はあるが、農業を知らない人たちに農業の実際を体験できる場があることは大変貴重だと感じました。三日間の体験の中で稲の草取りで、稲に似た「ひえ」の存在を知った事、みかんの木の摘果作業の大変さなど、収穫に至る前の作業の地道な厳しい仕事の存在でした。
 何をするにも現実は甘くない事はわかる年になりましたが、その中で自分の納得のいく生き方ができるようになるには、今の生き方に自信を持っている帰農塾の先生方やスタッフの方たちとの三日間に大きな手がかりがあるように思えました。これからもどこかでつながりがもてたえら・・・と思います。ありがとうございました。


「三日間の里山生活」
H.M 

 千葉、松戸に住みながら房総鴨川は初めての滞在だった。県道から迷いながら着いた自然王国はまさに日本の里山そのものであった。7月中旬梅雨明け前の蒸し暑さも緑一色の棚田、なだらかな山々、うぐいすの声などで一掃され気持ちの良い三日間となった。農を軸に座学と実践を通して参加者同士と講師スタッフの相互勉強の場が形成される中、自分の農に対するイメージが少しずつより具体的な形を見せ始める。田の草取り、有機は言うに易し実践は額の汗。すぐに稲と雑草の違いが指先でわかる様になる。田の中の生き物達、田のどろのやわらかさ、体を使っての労働の楽しさと大変さを実感する。どの農作業も同じような楽しさと大変さが同居する。さてこれから自分のやりたい農的生活とは、自信と不安が交錯する。焦らずにじっくりと考え、いろんな人と話す中から見えて来る、農的リズムで考えて行きたい。


里山帰農塾に参加して
R.A 

 当塾の存在は、だいぶ昔から気になる存在として承知していましたが、先日、NHKの加藤登紀子氏特集番組をたまたま観た機会に登紀子さんが話された中で、塾との関わりを説明されるのを聞き、何故か一度、自然王国の活動に触れてみたいとの思いがつのり、HPをひらいて里山帰農塾が開催されることを確認して申込み参加しました。塾のプログラムは、これまでの経験を踏まえた個々のユニークな内容で、座学、実習共、大いに成果を得られたと思っています。とりわけ印象的であったのは、農作業指導にあたってくれた川名氏という現役好々爺の存在で、辛そうな農作業をヒョウヒョウと語る語り口に、農民のたくましさを感じましたし、果樹栽培のノウハウも良く教えていただき感謝しております。座学では、田中氏の日本現代農業市の解説を通して、新しい農業と農的生活への転換の必要を新らためて考える事ができましたし、自分自身がこれからの人生を何にかけるべきかの解答を考えるヒントを得ることになったものと思っています。その他の講師各位も、自分の言葉で何か考えるヒントを伝えられればという熱意を強く感じ、実際、多くの考えるヒントをいただけたと感謝しています。懇親会では加藤登紀子氏とも直に交流が出来、お別れの“ハグ”までしていただき良い思いで(?)となりました。王国関係者は皆、仲間と思い、人間として誠実な生き方を実践されていると感じ、自分もそのような生き方を目指したいと強く思ったところです。私は、自分の故郷に“帰農”して、地域の再生を、次世代、次々世代の育成に何とか貢献できないかと定年後の自分の行く方を考えておりますが、日本中に多くの自然王国が存在し、都市生活者を農村での農的生活者が互いに刺激しあい、生きるに値する農山村が復活できる事を夢見ています。全国の農的生活者。団結せよ!!


鴨川上流・房総丘陵にて(2)
フォトン・ベルト 

 里山帰農塾には、二回目の参加だが、同期の人はあと一人だけだった。私としては、一年というサイクルで農業を見、知りたいという思いがあったので、また来たのだが、そう思う人は少ない気がし、少々寂しさを感じた。
 前回は雨の三日間だったが、今回は暑かったが、雨は降らず、美しい緑の景観を楽しめた。講師の方々の話と討論、田の草取り、収穫作業と、興味深く体験することができ満足しました。本を読むことも大事であり、必要なことですが、現地に来て、そして関わる方、専門家の話を聞き、話をする面白さ、良さを改めて印象づけました。それから先どうなるかは未定ですが、農的生活について更に、知識、体験を深め、これからの自分の人生の参考にさせてもらいたいと思います。
 今回、半農半Xの“X”を具体的に何をするかを考える必要性を強くしました。
 秋の収穫時には、来られれば来たいと思ってます。


鴨川自然王国帰農塾に参加して
T.S 

 土いじりが、大好きなので、庭に家庭菜園があればいいなと、思っていた時雑誌で、NPO法人ふるさと回帰支援センターの事が書かれていて、さっそく、電話で資料を送付して頂き、鴨川自然王国の事も知りました。一度、どんな場所で、どんな事をするのかと、経験して見ようと参加しました。いろんな「農」に関してのお話しを聞いて少し「農」に関して、知識が増し、興味も湧いてきましたが、実際「衣食住」の「住」のことは自然王国に参加しても「住」に関する話はなく、少し残念でした。
地域の人とのコミュニケーションが大切又交流が大切と話されていましたが、遠距離であれば、何度も足を運ぶことも、無理で何かもっと、「住」に関してよい方法はないのでしょうか。いろんな作業は大変でしたが、良い経験になり、本当にありがとうございました。自然王国のスタッフの方々の笑顔や、明るさ、食事を担当してくださった、石井さん本当にありがとうございました。


鴨川自然王国ふる里回帰に参加して
T.S 

 たいした知識もなく、特に帰農をしようと云った考えもなく、ただ今後は都会をはなれ田舎でのんびり釣りでもして暮らしていくのが夢で、あと家庭菜園が出来る程度の土地がありそれをもとめて参加させて頂きました。
 農業に対する考え方も特になく参加しましたが、たとえわずかな土地でも、農業といえる様な状況にする大変な努力を要すると思います。やはり家庭菜園になると思います。私程度の考え方はあまいと思われるかもしれませんが、大々的な農業の歴史といったことは私の参考にはならなかったと思います。時間をさいて、講義を頂き有り難く思いますが、私には別の方面での知識を収得したく、たとえば、家の造り方、帰農された方の体験等、又、種まき、育て方、等多く取入れたものになればと思います。最後にこの地方の空家情報や休んでいる田畑の情報等、教えて頂ければさらにうれしく思います。
大変お世話になりながら苦情めいた事ばかりで申し訳ありません。ありがとうございました。


ファースト・ステップ
M.S 

 参加させてもらった動機は、9月から田舎暮らしを予定していますので、参考になればと思ったからです。
 鴨川は以前から興味があり、ぜひ行ってみたい候補のNO.1でした。今回初めてなので全体像は(土地の)見えていませんけど、ここの匂いが何なのか解りました。「都市の香りがする田舎」原理主義みたく過度に都会だ田舎だと騒ぎ立てることもなく、都市で培った文明を田舎にフィードバックさせていこうという新進気鋭な雰囲気が感じられました。
 個人的に共同体に興味があり追跡してきましたけど、ここは鴨川全体が一つのコミュニティーなんだと思いました。
 カリキュラムは中身が濃く、朝から晩迄あり、充実していました。川名さんの実習はとても参考になり、聞きたい事がまだまだたくさんあって、又聞きたいなと思いました。豆腐作りは家で何回かやった事があるので自分の知らない事があれば嬉しかったです。
 講師やスタッフ達の生の交流を通じて、田舎暮らしがプチ体験できて、為になりました。
 自分の経験(鳶)とやりたいこと(保存食作り)の希望がかいま見えたのが、大きな収穫です。
 ありがとうございます。鴨川自然王国のみな様。


帰農塾を終えて
Y.T 

 今回初めて帰農塾に参加して、そして三日間を終えるに当たって感じていることは、自分の農に就きたいという気持ちは、まだまだ確固としたものでないということである。「自分の地元で大好きな山、自然の中で生き、今の自分にはまだ根ざされていないその土地の伝統や文化を頭じゃなく体から自らの中に自然なもとして息づかせ、そして受け継いでいける立場になりたい」。そのような気持ちで農を自分の職としていこうとこれまできた。しかし、帰農塾に参加し、みなさんから多くの話を聞く中で自分の考えや農に対する思いを自分の言葉で伝えることがまだできないことを強く実感させられた。これから農に進んでいき、どう自分の道をつくり歩んでいけるか、またいきたいのか。今回のこの参加は、自分にとって最終的に厳しい課題を与えられるものとなったが、良い機会をつかむことができたと思う。
 田に入り、泥の中、手足を入れた感触として楽しんだり、たくさんの生き物を見ることで有機農業の大切さを本当に強く実感させられたり、おいしい野菜料理をみなさんと楽しんだり。ここでの体験のひとつひとつから、自分に本当に楽しい、嬉しいという気持ちを強く抱かせてもらうことができた。このことはこれからまた自分の道を模索していく中での糧のひとつになっていくと強く感じる。たくさんの経験を築いていき、自分の言葉で自分が歩んでいきたいと思う農の道を伝えることができる、そのようになれるように進んでいきたい。
 講師のみなさん、鴨川自然王国のスタッフのみなさん、参加者の皆さんとの三日間は本当に本当に楽しい時でした。ありがとうございました。


「里山帰農塾に参加して」
H.N

 この春、三十八年間続けた職を退き、新たな気持ちで南房総・館山の地に永住することになりました。毎日の仕事に追われ、仕事中に心に生きた三十八年間でした。人生、最後の地に選んだ地は、生まれ故郷(伊勢)にどこか似た地を選んでいました。深く考えたわけでもないのに心に残る原風景はやはりふるさとということでしょうか。仕事のためにゆとりなく生活してきましたが、「本当の豊かさ」とは、何かずっと考えてきました。お金では買えないもの、価値あるものは何か、昔の農的生活には、それがあったと思います。昔経験した農村でのくらしから、人と人とのつながり、物を生かした工夫や生活の技、文化、くらしの行事などの意味が見えたように思います。毎日が暮らしの中に、少しでもそういったささやかな楽しみがもてればいいなと思っています。この帰農塾に参加し、たくさんの収入は得られないけれど、自然の中で、物を育てそれをなりわいにしている方達の生き方を知り、そこに、本当の豊かさや充実感のあるくらしを感じました。
 しかし、そういった行き方を選択するには現代はあまりにも生きにくい、農業を職業として選ぶ大変さも、この塾で認識させられました。
 洞察力や自己決定力、いろいろな生活技術社会性などいろいろな能力が必要だなぁと痛感しました。農家に生まれた子供は農業を職業として選ぶのは簡単でしょうが、新しくサラリーマンの子が職業として農業を選ぶのは本当に大変なことでしょう。しかし自然王国のようなネットワーク仲間がいるということはそんな若者には大きな助けになるのでと思いました。



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