帰農塾 参加者 レポート 
KINOUJUKU SANKASYA REPORT
9月22日〜24日 里山帰農塾 9月コース  豊かな実りを味わおう

2006.9.24  更新日 2006.10.2

農的田舎暮らし塾に参加して
M.K

 講師の皆様、スタッフの皆様、熱心な御指導ありがとうございました。ご参加の皆様、大切な時間を一緒に過ごせてありがたく思っております。
 私は、農業に関心を持ち始めて、5〜6年経ちますが、その間、「田舎ぐらしの本」とか、テレビの「鉄腕ダッシュ村」とか、「人生の楽園」とかで、農業に回帰した人の情報を集めて来ましたが、それからは、ほとんど成功体験記が多く、内容も良い所ばかり書いてあるので、農村生活に多大の憧れと希望を抱かせるものでした。その反面、農村に溶けこめるのか、経済的に生きていけるのか、農閑期はどのようにして過ごすのかといった不安がつのりました。しかし多くの場合「案ずるより生むが易し」の諺のように、先ずは一歩踏み出してみようと、この塾に参加しました。
 参加して、皆様の農的生活に対する熱意をひしひし感じ、不安が一挙に解決し、半農半Xの生き方をすれば良いのだと理解しました。
 これから、すこし時間をかけて、自分なりのXの解をゆっくり見付けて行こうと思いました。実は腹案は一つあり、甲斐講師に相談した所、もう実践している人がいるとのことです。それは介護士の資格をとることです。農的生活をしながら、介護関係の仕事がやれたらと思います。これからは老人の社会です。介護関係の仕事は山ほど出てきます。しかも農村に溶け込むのには良い手段の様に思っています。これから家に帰り、じっくりと構想するつもりです。
 最後に、この塾を、維持してくださっている加藤登紀子様、スタッフの皆様に再度感謝し、末永くこの塾を続けてくださる様、お願い致します。



里山帰農塾を終えて
M.S 

 そもそも、今回僕が里山帰農塾に参加しようと思ったのは、農業に興味がでてきたので、一度農作業を体験してみたい、体験することで自分が好きなのかどうか、やってみたいと思うのか、それを確かめたかったし、自分がやりたい農業が少しでも見えたらいいと思ったからだ。
 でも今こうして帰農塾を終えて、一番思うのは山や空や緑にかこまれた生活がこんなにも穏やかで幸せな気持ちにしてくれるのかということでした。毎日、山や空を見ているだけで僕は幸せでした。
 講義では、甲斐先生の話に衝撃を受けました。日本の各地で多くの若者が農村に入ってNPOを設立したりして、地域の活性化に向けて頑張っているという話で、そんな新しい生き方をしている人がいることに驚いたし、僕自身そんな生活や生き方にすごく興味をもちました。また農業でなくても半農半Xな生き方があることにも興味をもちました。これからどうしていくのか、まだわからないけど、農的な生活がとてもとてもしたくなったので、今日からそれに向けて動いていきたいです。
 今、人生をちょっと考えたい人は、迷っている人たくさんいると思います。この塾はそんな人達に参加してほしいなって思います。
 最後に楽しく、幸せな時間を提供していただいたスタッフのみなさん、どうもありがとうございました。


「収穫ありました」
K.N 

 王国の畑でとれた新鮮な野菜で作ったおいしい食事をいただき、稲刈りや畑作業で気持ちのいい汗をかき、愉快な参加者の人達といろんな話をし、楽しくもタメになる座学を受け、それぞれに魅力的なスタッフの方々にも刺激的な話をしてもらい、天気も上々、酒も旨い、加藤さんの熱いトークにもらい泣きし・・・。
 頭ではいろいろ考えながら、知識はいろいろ増えていくけれど、特に行動には移せていない自分。そんな自分がいってもへこむだけかな。そんな不安もありましたが、かなり楽しい3日間でした。のんびりした性格なのでいきなり何かをはじめるとういことはないと思いますが、大きな収穫があったと感じています。
 また遊びにきます。ありがとうございました。
 あ、祭り寿司作りもかなりおもしろかった!


最先端に来た!!
T.K

帰農塾は時代の最先端にある、と直感的に思いました。ここには人が生きる為にできることのすべてがあって、人間が効率的に生きていく為に何万年も模索してきた最も合理的な生活スタイルへの唯一の答えが、いたるところに転がっている感じがします。畑を耕し、収穫し、料理をし、食べ、空気を吸い、美しい自然の風景が常に身近に我々の目から心へ癒しを運んできてくれる。そしてその全ての要素がお互いを永遠に効率よく生かし合える最短の距離と関係で一輪の円の様につながっている。これはまさに最先端の生活スタイルであり来たるべき次の文明のかたちであると確信しました。でも新しいかたちといっても、それは本当は昔から人間はそれをお金や加工された社会構造を通じて続けてきた生き方そのもので、ただそれをもっとシンプルにするだけのことなんです。野菜ひとつをとっても、それを作った人、育った自然が身近に見えることで、その野菜のなかにあるエネルギーをまるごと感じ、吸収し、そしてまたそのエネルギーや思いを農的生活が生む人や自然との交流の中で呼吸するように返していく。そうやって失いかけた自然や人、自分の肉体や精神性とのかかわりを、ひとつひつと思い出し、取り戻していく。それを実践する塾が里山帰農塾なんだと、皆に伝えていきたいと思います。


自分の自給率
M.M 

 祖父母の代までは農家だったが、私自身は農作業をしたことがない。母は年老いても、元気に自分の食べる物ぐらいは自分で作っている。私も農家に生まれたというDNAが、今動き出したように思う。お金で全てを買っている現生活から、自分で作り出す生活へと向かいだした自分を感じる。自然を命を感じたいと思う。今回の里山帰農塾の座学では、地元学=自分学だということを知った。地域を考えるための自分を取り戻すことが地元学の根底にあることを知った。実習では、すがい縄を教わったが、自分の手の平の中で、わらをよる作業に往生して、やっとできるようになった時はうれしかった。自分の手を使う、足を使う、体を使う、それも自分の生活と密着して使うということから、私はずっと離れていたように思う。農家に生まれながらも。
 母が明治に建てた古い家、納屋を壊すと言ってきたが、何とか残せないものだろうかと考えている自分が、今は居る。少しでも、自分の食べる物は、自分の手で作りたいと思う自分が、今は居る。


三日間で感じたこと
K.S

 この三日間それまで漠然と考えていた、『生きる』という人間の行為に、大きな道筋を示してくれた三日間でした。
 三日間という時間を大の大人が鴨川というローカルな土地に十三人集まり、わざわざ農について考え、農体験をした。
 それは今の日本人の食に対する不安だとか環境保全とか言われているが、ただ単に人間がヒマになっただけのような気がする。全員が全員そうとは言えないが、少なくとも私はヒマになったからそうなのである。
 私が『生きる』事を考えるとこうなる。どこか星がきれいに見える土地に家を建て、農園を持ちそこを観光農園にする。目玉は農園の大部分を占めるハーブから作るオイルで私がお客様をマッサージすること。一日三人限定。と、ここまでは描ける私の夢なのだが、この夢はヒマであるが由のモノだとも思うのである。ここからの私の農に関するあれこれが始まる。夢の第一歩・農業体験!!軽い気持ちで応募した自然王国での帰農塾だが始めから出鼻をくじかれた感で、すごい偉大な農業人が待っていて「ライフスタイルだ」「どうやって生きていくかだ」「ハーブ農園なんてみんなもうやってるよと」と凹まされてしまった。でもそれと同時に夢の方向は変えなくても、形や、色あいを変えていけばいいんじゃないかとも思えた。半農半X。自分のできる範囲を何等分もさせて百姓になればいい。百分の一でオイルを作り、マッサージをすればいいではないか。
 私に出発点・0というきっかけを与えてくれた王国の皆様にお礼申し上げます。ありがとう。


自分自身の発見でした
S.I 

 この塾に参加する前と後で頭の中がすっかり変わった感じです。始めは田舎暮らしにばく然とあこがれて、農業を少しだけ体験し、学びたいという動機で来ましたが、農村で暮らすことの意味を深く考えたこともありませんでした。ここでは稲刈りと種まきを体験し、土のにおいと風のここちよさと、大自然の恵みの偉大さに感動させてもらいました。ここで出来た野菜の食事のなんとおいしかったこと…。さらに座学では、“農的生き方”という、里山で暮らすことの意味や意義を考えさせられました。また今、若者が農への回帰をユニークな型で、いろいろなアイデアで提案し、それを実社会の中で地域と交流しながら実現している実例をたくさん学び、大変なショックを受けました。農村でゆっくり暮らしたいという自己中心的な夢から一歩進んで、自分自身をみつめなおし、何が出てきて、何をしたいのかをきちんと考え直し、地域に役立ちながら自分が少しでも豊かになれる暮らし方をさがしていくための良いきっかけをいただいたと思いした。本当の豊かさは“量”ではなく“質”であるということにも気づかされました。


里山帰農塾に参加して
M.I

 何か、これまで経験したことのない新しい事に挑戦してみよう!!というのが私のこの塾に参加した動機である。「里山」とか「自然」等のことばには興味関心はあったが、正直、農業に関することにはほとんど無関心であった。
 が、この塾に参加してみて、「土に親しむ」「自然を大切にしてつつましく生きて行く」「農とは日本人の暮らしの原点」等々の事が、座学や農作業の体験を通して実感する事が出来た。
 実感出来たというよりその入り口に立つことができたにすぎないと思うが、二泊三日の自然の中での生活が何よりも私の今回の経験や学んだことのベースになっていると思う。おいしい空気、風、陽の光、目に入る木々の緑や小さな花達等々である。
 そして今ひとつ、新しい仲間が出来たという喜びである。共に作業をし、食事を取り、そして二日目の交流会はとても楽しい思い出になると思います。うれしいことに御馳走のひとつは、房総の郷土料理を実習した成果が並べられていました。おいしいお酒と御馳走、仲間との語らいに、東京では味わえない、充実した、思い出深いひとときでした。
 明日からまた仕事が始まる!と思うと、どこか寂しくつらい気持ちにはなりますが、この自然の中で私が学んだことを、何らかの形で職場の仲間や子ども達に伝えて行ければと思っています。それが自然を大事にして行こう今回感じた私が出来る第一歩であると思う。
 新しいことに挑戦してみてよかった!!(やはり行動をおこすこと。)期待以上の収穫、豊かな気持ちになることが出来ました。
 最後に、スタッフの皆様方、座学の諸先生方に心より御礼申し上げます。


里山帰農塾を終えて。
Y.O 

 僕は始め、なぜこの様な田舎に人が集まるのか?なぜ里山に帰農するのか理由が知りたかった。そうした時にこの帰農塾の案内を見つけ、その真意を知るべく参加しました。まずおどろかされたのがみなさんの動機です。みんな真剣に暑く語り合っています。食の安全性を求めてここに来た方。定年後の農を通してスローライフを求めて来た方。あこがれの土いじりを希望して来た方。動機は農に対する熱い想いと、自分への安らぎ、休息を求めに来た人が、様々な年齢層で構成されています。定年間近な人、デスクワークが多い方、デスクワークが多い方、大学生などです。里山帰農塾での一番の内容として感じられた事は、自分達が考えてきた事や人の意見を聞き考えるという場をこの鴨川の大自然の中で与えてくれたという事に非常に感謝しています。この2泊3日の中で様々な年齢層の方や帰農された方などの話を聞くなかで、色々な事を学びとる事ができました。この里山帰農塾で体験した稲刈りや、種まきなどされている方の笑顔はとびきり最高で、皆さん年齢を忘れ子供の様に泥だらけになって楽しんでいました。
 この様な場に自分がいられた事を本当に感謝しています。自然王国のスタッフの方々、講座を開いてくれた方、また加藤登紀子さん本当にありがとうございました。自分がこれから生きていくうえでの大きな鍵か人生のターニングポイントになったかもしれません。貴重な体験でした。


帰農塾で学んだこと
T.K 

 たいへん充実した三日間でした。空気がおいしい、景色が美しい里山に来て、感性がみがかれていくのを感じました。今、自然の中にとけこんでいくような気がしました。満天の星空を見た時、星がこんなにあるのだと、あらためて思いました。こんな自然の中で、農作業をして汗を流すことが、なんと幸せなことかと思いました。
 私は、三年半したら定年を迎えるので、その後、田舎に移住し、農業をしたいと考えています。しかし、農業で生計をたてていけるか不安でした。どうやったら、不足の生活費をかせぐことができるのかと考えていました。
 帰農塾での話を聞いて、「農的生活を楽しむ」という視点を学びました。農業は、生活費を稼ぐためではなく、自分が可能な限り自給自足をするためにやるということでした。そして自分がその地域で、どのような貢献ができるかと問題をたてることでした。自分のもっているスキルを、この地域で役にたてるように努力することが大切なことだと思いました。そのことにより、自然地域にとけこんだ農的生活を楽しむことができるのだと思いました。すばらしい企画をしてくれた鴨川自然王国の皆さんに感謝します。


鴨川自然王国と縁して
Y.S 

 偶然、朝の番組「ほっとモーニング」を見たことがキッカケとなり、この帰農塾を知ることになりました。体調をくずし仕事、家族地域社会のことについて、又自分の今迄の生き方を考える時間を与えられました。それはけっして時間に制限なくゆっくりと、のんびりとした流れではありませんでした。反省する事柄が頭の中に次々と沸いてきて、頭がこわれそうな想いでした。家族に感謝し、今私が自然の自分に戻りたいという気持ちに気付いた時でした。
 タイミング良くこの塾に参加させて頂けて、人とのつながり、調和できる充実感、言葉を超える心のおもいの温かさ、重さを感じられた三日間でした。
 農的な暮らしの実践として、稲刈り、秋実りの収穫や種まきも、初めての経験をいたしました。石井さんが心をこめて作って下さったお食事もおいしく空の下で頂いて、又これも二重の幸せ感を味わせていただきました。
 仕事で自閉症の子供さんの足をもませて、いただいたことがあります。その両親は、(特に母親は)とても大きなストレスをかかえ、生活をしています。私から見ましたら、いわゆる健常児とどこが違うのかが解りません。ただ、すこし集中力が足りないという位のことです。
 この鴨川の自然の中で自由に遊ばせ、親子共々この開放空間に身を置くことで、調和がとれ身も心も、本当の人間に戻れ、よく言われる心豊かな人生を生きる、スキルが見つかるのではないかと、痛感しました。そんな何かお手伝いができれば幸せです。
 講師の先生、スタッフの皆様に感謝とお礼を申し上げます。
 ありがとうございました。
 楽しい時間でした。


帰農塾
K.O 

 農に帰る、自然に帰れた2泊3日でした。私の住んでいる家の裏がすぐ山で、犬の散歩に土と木、河に触れると、なぜかホ、としています。この感覚は自然なことだったんだと改めて思いました。特別に自然が好きだから、ではなかったんですね、人はみんな、本来そういう生き物だったのだ、ということを確信しました。また、五感をもっと解放させてあげたいです。私の家族を始め、周囲の人達にも伝えていきたいです。まさに登紀子さんの話の中の「私の中の自然」です。おりの中で生活している。とは、考えても居なかったです。私の職場は、グループホーム、まさに、おりの中ですね。トラブルが起きても不思議ではないですね。そう思うと気が楽になります。考え方の視点が変わると、視野がパーと広がりますね。この帰農塾で色んな場面で、「あーそういう風にも考えられるのだ!」と沢山発見しました。そのたびに明るい世界に1歩進み、さわやかな風が吹きました。私はこのような場を求めていました。1年前頃より本気で自分をみつめよう、思い、カウンセリング講座に通っています。今回ここに来て、カウンセリングの勉強は、もう終わりにして、1人で立つ練習、をやっていきたいと思いました。具体的には、まだわかりませんが…カウンセリングの勉強に依存していたのでは?と気づきました。自分の頭の固さをもっと軟らかくしていきたいです。また参加します。その時は、よろしくお願いします。ありがとうございました。


鴨川上流の房総丘陵にて V
フォトンベルト 

 三度、文章は書きたくない人間であるが、やむなく書く。が書くことが出て来ない。
 で、ままよっと、行ってみます。
 結局、3年半先の定年と我身の衰弱化、日本の社会状況の悪化。世界情勢の緊張化(政治、資源、食糧などとその複合問題―――オオゲサ!?)を考え、残りが少なくなって来た。自分の人生の生き方の情報収集の一部として、鴨川自然王国に来てます。
 今回、印象に残ったことは、「田舎定住ではなく、都市との従来が、よりよい生き方ではないか」、「自分の食糧自給率をできるだけ上げるという考えで、農的生活に関わる、でいいのではないか」と言うことでした。
 現在の職場の状況がどうなるのか、現実的、具体的な条件となり、どこで、どういう生活をすることになるかが、決まってくると思います。定年一年前には今の職を離れるつもりでいるので、それまでに、南房総(鴨川市?)での農的生活を、メインの選択として、情報収集し、また今年最後の帰農塾(11月)にも参加し、これからの自分の人生の行き方を決断したいと思いました。
 どうするとしても、鴨川自然王国の周辺の素晴らしい景色を見に、時にここを訪れたいという思いを持ちます。自然・食べ物・空気、本当にいいところです。
 また、講師・塾生とも、興味深い人が多く面白く…いつもながら勉強になりました。


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