EVENT REPORT

7月20日-22日 里山帰農塾  夏 〜太陽の恵みをうけて〜REPORT
 
2007.7.20-22  更新日 2007.8.1 text:宮田 武宏

今回の参加者は男性7人、女性4人の計十一人です。農的生活をしたいと思っている二〇代から五〇代までの方が参加してくれました。

自己紹介をして、里山見学を終えたあとは、今年5月から鴨川に移住した高野さんの講義です。都市生活では当たり前の生きていくための水道も、ここでは引くかどうかの決断を迫られます。高野さんは、市の水道を引かずに自力で水を確保しようと、井戸を掘るなど様々な試行錯誤を繰り返しましたが、隣の地主さんから山の染み出し水を確保し、それをろ過することで生活用水を手に入れました。水道が簡単に手に入らないのはトラブルだとも言えますが、それを面白がるのが楽しいプロセスだ、と語っていました。ろ過装置の準備なども、地元のガソリンスタンドの店長と協力して行なっており、着々とコミュニティに入り込んでいるようです。これから、どんな暮らしがあるのか楽しみですね。

一日目の夜は、甲斐さんの講義です。タイトルは、「消費者から当事者へ」。5月コースでも話題にした「鳴子の米プロジェクト」の話を中心に、価格だけで商品を選ぶ消費者から、関係性を見出し、作ろうとする当事者への転換の重要性が述べられました。国の農政がどうあれ、消費者が当事者に代わることで、小さなコミュニティが守られてゆき、それが生活の安定につながることが示唆されました。参加者のみなさんにとっては、初めて聞くことも多かったようで、新鮮な刺激になったようです。

 二日目は、朝からの雨で畑作業ができるかが微妙なところでしたが、少し収まるまで、山小屋のベランダで苗作りをしました。登紀子さんも加わってブロッコリー、キャベツの種まきです。これを書いている三〇日現在、元気に芽を出して育っていますよ。その後、雨も上がったので畑参観をしたのち、大豆の間引きを行ないました。今回の参加者は、市民農園を借りたり、結城農業の講座に通ったりされている方もいらっしゃったので、質問も実践的なものが多く、答える側としても楽しかったです。

 昼食後は、房州名産祭り寿司作りです。下準備をこちらでして、みなさんには実際に具材を載せて巻いてもらいました。初めて作ったわりにはとても上手に巻けて、皆さんも楽しそうでした。美味しかったですよ。

その後は、クマさんこと小熊さんの講義です。「炭から地球へ」と題し、クマさんがなぜ炭を焼くのか、クマさん共和国でどんなことをやっているのかを話してくれました。講義では、千倉の海水で採れた塩をなめ、クマさんが焼いた炭を手に持って打ち鳴らしてみる、といったように五感を使った講義がなされました。クマさんの熱き思いが、参加者の皆さんに伝わったと思います。

交流会前に、改装された事務所、新しい名を「藤本敏夫記念館」となづけられた場所で、加藤登紀子さんの講義が行なわれました。学生運動当時の時代背景、鴨川の地を選んだ理由などから語り始められ、「鴨川を循環型の社会にしたい」という夢も語られました。記念館には何も置いてないフロア―があって、そこに座ってぐっと寄った雰囲気で話が進みました。

 夜の交流会では、クマさんのお土産の海鮮汁や、夏野菜を中心とした料理で盛り上がりました。

 最終日の朝は、近くにある川名さんの畑に移動しての作業です。毎年個の時期はブルーベリーの摘み取りを行なうのですが、残念ながら雨のため、少し食べただけになってしまいました。その後はハウスに移動して、いちごのランナー取り(苗作り)を行ないました。大勢で一気にやったので、作業がどんどん進みました。

 今回は、どちらかといえば静かな雰囲気で塾は進んだのですが、その分一人一人が考えられたのだろうと思います。

 里山帰農塾は、参加者一人一人の行動によって学びも味わいも深くなる、不定形のスタイルを取っています。参加者自身が作っていく、というスタイルをこれからも維持していきたいです。

 さて、今月末には、第2回里山帰農塾同窓会 8月25日(土)、8月26日(日)を行ない、甲斐さんの講義で登場する結城登美雄さんの講演会あります。是非ご参加をお待ちしています。

さらに、次回の9月里山帰農塾。浅田博士による、鶏の解体(実習)、農的生活の楽しみ(座学)があります。帰農塾参加者で田植えした田の稲刈りもありますよ!

お楽しみに!





























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