EVENT REPORT

9月22日-24日 里山帰農塾  秋 〜実りを味わう〜REPORT
 
2007.9.22-24  更新日 2007.10.5 text:宮田 武宏

今年の帰農塾も3回目、待ちに待った稲刈りの季節を迎えました。


今年は4回通し参加の方が2人、3回参加通しの方が1人いて、 毎回会うのがあたりまえと感じてしまうほどです。
でも、一回一回が貴重な体験となるよう、受け入れ側としても ますます気を入れていかねばなりません。
今回の参加は若い世代が多く、20代、30代が参加者の半分以上でした。


自己紹介では、それぞれの人となりが語られ、そんな中でも、自給自足生活にあこがれている人が増えている印象を受けました。
生命に関わることを他人任せにしない、という考え方は甲斐さんから教えていただきましたが、「食」も大きなテーマですね。
里山参観を終えて、午後の講義は高野さんの講義です。
鴨川に住み、これからの人生をどう考えていくかの話でした。
明治以来、1980年代までの発展途上国から一人一人が核となって生活をしてゆく成熟国へ、という観方は興味深いです。


夕食を食べてからは、王国会員でもある浅田さんの「郊外型農的生活をはじめて」をテーマにした座学です。
自分がなぜこの仕事をし、この暮らしをするのかということが生命観を踏まえて大きく語られました。
鹿の生態調査が研究テーマの浅田さんは、 「生き物が好きでこの仕事についたのに、自分のしていることは生き物を殺す計算をしていることだ。」 と気づきます。 しかし、生態系を維持するための捕獲は必要だ。
矛盾の中で生きている浅田さんの姿がくっきりと浮かび上がります。


そんな中、浅田さんは千葉県佐倉市に住まいを求め、農的生活を送っておられます。
家庭菜園があるなら、家庭養鶏もあるんだという考え方があり、 それを実践しているのです。
野菜くず、生ごみを鶏のえさにし、卵をいただく。
鶏糞は畑の肥料となる。卵を産まなくなった鶏は、つぶして食卓に。
これが、命の現場に生きる、ということなのです。


翌日は、稲刈りです。
田植えをしたのと同じ2枚の田んぼの稲刈りを行います。
1週間前の台風の影響で、田がぬかるんでいました。
ちょうど王国も脱穀作業と重なり、スタッフも少なく、 参加者のみなさんにとってハードな実習になってしまいました。
収穫には、苦しみと喜びが伴うのですね(笑)。
みなさんの、「やりきった!」という表情がとても素敵でした。


それからは鶏の解体です。
地元の養鶏農家さんから頂いた5羽を、大切に解体します。
講師は昨日から引き続き浅田さんです。
さばかれてゆく鶏を見られない人もいましたが、 自分の食べているものがどこからきたのか考えさせられるきっかけになったと思います。


その後は、甲斐さんの講義です。
全国に点在し農的生活を送る若者をメインに講義は進みました。
若者の置かれている状況は、労働者から労働力へ、いつでも代替可能な存在として 扱われるという信じられない実態が今あります。
その中でも、農的生活を送りながら楽しく暮らしている若者の姿があります。
収入は少ないかもしれませんが、何をしても生き残っていけるたくましさを感じました。


夜の交流会には登紀子さんも合流し、盛り上がりました。
昼に解体した鶏は鶏鍋にしていただきました。
意外に固くなく美味しかったです。噛めば噛むだけ味がありました。


翌日は畑実習です。
レタスの定植と、あさつきの植付けです。
昨日の疲れが残っているのか、なかなか作業は進まず、 何とか畑一枚終了した時に、時間が来ました。
王国畑がいかにガチガチか、今回もいろんな感想が 述べられていました。
でも、粘土質の畑でとれた野菜は味がいいんですよ。
それは皆さん毎日の食事で感じてくれたようです。


里山帰農塾は、毎回たったの2泊3日です。
そこですべてを理解するのは難しいでしょう。
私たちも、農的生活へのきっかけの提供として考えております。
ここからどう暮らしていくか、それがこれからの楽しみですね。
引き続き王国と関わっていって、より楽しい生活ができれば、と思っています。


次回は11月16日〜18日です。
今年度最終の帰農塾となります。
体験実習は炭焼きです。
寒くなってきますが、秋には秋のよさがあります。
ふるってご参加くださいね。





































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