EVENT REPORT

5月3日-4日 田植え イベントREPORT
 
2008.5.3-4  更新日 2008.5-12 text:宮田 武宏

風薫る五月。今年も里山帰農塾が始まりました。

今回の参加者は16名。今回も、外食産業で働く人から消費者運動を続けてこられた方などいろんな方の参加がありました。

午後一番は、帰農塾塾長である高野孟さんによる講義です。
『世の中に食べ物はあふれているけど、その食べ物がどこからきたものなのか私たちはほとんど知らずに食べている。食品についての表示をどこまで厳しくしても、根本的なところはブラインドになっているので、それを食べることはとても”勇気”のいる行為なのだ。日本の食料自給率が問題にされているが、大切なのは自分の自給率である。自分の自給率を高めるためには、ベランダ菜園からでもいいから何か始めるべきだ。そこから関係を作っていくことで見えてくるものがある。関東軍参謀だった石原莞爾は、「新日本の建設」という文章の中で、国民皆農を説いている。彼の思想を再検討する必要がある。』という、刺激的なものでした。

その後は、畑作業です。ちょうど夏野菜定植を進めている王国農園で、ピーマンとししとうを植えました。家庭菜園を既にやっていらっしゃる方も、王国農園の土の堅さには驚いていました。畑作業をやると、他の参加者と声を掛け合って進めていかざるを得ないので、自然に仲良く、打ち解けられるようです。天候が悪くなるかもしれないので、急遽日程を変更したのですが、初日の緊張をほぐすにはちょうどいい作業になりました。

夕食を食べると、木下さんの講義です。木下さんの、軽妙で明るい講義の中に、先を見据えて田舎暮らしを始められたことが伺えました。『自分の食べ物を、どこまで国に頼れるんだろうか?自分で作った方がいいんじゃないか。その方が安心だし、何より楽しいじゃないか。』楽しく暮らしながらも地に足をつけて元気に暮らしている毎日が浮かびました。

二日目、これを目的にして参加される方も多かったです。田植えです。7畝(約2,1a)の面積を植えました。すっと作業に入っていける人、ぎこちない人様々でしたが、やっと田植えに慣れた頃に終わってしまいました。これで、日々の管理作業をのぞいては、9月の稲刈りを待つのみとなります。

さて、その後は加工食品を作る時間です。豆腐作りに挑戦しました。王国でとれた大豆を使って、4人一組で協力し合って作りました。豆乳の段階で味わったり、おからも食べたりで、にぎやかでした。4班で一応”競争”するのですが、皆さんやっぱり自分で作ったものが一番おいしかったですよね!?

交流会の前は、現代農業編集主幹の甲斐さんの講義です。今回のテーマは、「医食農想」です。医療、食、農、想(思想・教育)に関わることはお金儲けにしてはいけない、という考え方です。現代社会では、この4分野はそれぞれ別個のものとしてとらえられることが多いですが、本来は一体のものだし、一体としてとらえずに分断してしまっていることから現代のひずみが現れているという内容でした。「医は食に 食は農に 農は土に学べ」という言葉が印象に残りました。「再び医食農想のむら・まちづくりを」との呼びかけに対して、自然王国は何をしていくのかと問われている気がしました。

交流会では、雨が降っていたため部屋の中で行いました。山菜の天ぷら、タマネギ丸ごとスープなど王国野菜をふんだんに使った料理が並べられ、12時近くまで盛り上がっていました。

最終日の討論会では、「土と接することは心をいやすことなんだな。」という発言が印象的でした。2泊3日でここまで仲良くなれるのかというくらいに仲良くなった方もいたようで、とても嬉しかったです。

次回の7月は、鴨川で有機農業を営んで20年の方が講師に登場します。どんな話が聞けるのか楽しみですね。王国農園でも夏野菜がとれ始めていることでしょう。

また、6月12日には、東京銀座で「ふるさと暮らしセミナー」で「里山帰農塾セミナー」を行います。こちらにもぜひご参加くださるようお待ちしております!























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